昨日作ったクリームシチューの残りを温めて食べました。
鍋の底には煮込むときにいれたローリエ(月桂樹)が
打ちひしがれていました。
いつもなら指先でつまんでポイっと捨てるところだけど
シチューをべっとりまとったそいつが、
すごくおいしそうに見えた。
ぺろっとなめてみました。
まっずーーーーーーーーっ!
こんなマズいもん、30年ぶりくらいに口にしたわっ!
なんでこんなものを料理に入れたら味わい深くなるのか。
30年ぶり?
このマズさ、何か覚えがある・・・。
あれは小学校低学年のとき。
田舎の映画館に「宇宙戦艦ヤマト、さらば宇宙戦艦ヤマト、海のトリトン」
という超豪華3本立ての映画まつりが「来た」時のこと。
(何故、パート1とパート2が初演で同時上映になるのか。)
私は始めて映画館で映画を見るという、ドキドキのワクワク。
テンション上がり気味で、前座扱いの「海のトリトン」を鑑賞して
おりましたが、口さびしく、持ち込んだ「源氏パイ」という大変
おいしいお菓子を食べておりました。
「源氏パイ」。
とてもおいしいお菓子なのですが、欠点は崩れやすいところ。
その日も、サクッとかじったつもりがバラバラと崩れ、胸元や
ひざにパイのかけらが落ちてしまいました。
でも私は海のトリトンに夢中。
顔はスクリーンに釘付けのまま、手で胸元やひざをさぐって
パイのかけらをつまみ、口元に運びました。
そこで衝撃が。
口の中に今まで体験したことのない、ものすごい苦味が走ったのです。
しびれるような衝撃。
「え”ーーーー」
声にならない悲痛な叫びで、隣で爆睡していた母親をゆすり、
口を開けて見せました。
薄暗い中に、明らかに動揺する母親の顔。
私の舌の上には、カメムシが乗ってました。
お食事前~最中~後の方には大変不愉快な思いをさせてしまった
かも知れません。
もちろん食事関係なく気持ち悪いだろ。
何故、私のひざの上にカメムシが乗っていたのか。
田舎だからって、ひどいじゃないか。
母親は私に100円玉を握らせ、
「外の売店でジュース買ってうがいしてきなさい!」
と小声で追いやるように促しました。
売店で選んだのは、UCC缶コーヒー。
小学生のくせに缶コーヒーが好きでした。
そして小学生だから判断力が甘いのか、
もったいなくて、うがいせずに飲んじゃった。
(もちろんカメムシは吐き出しましたよ。)
あれ以来、カメムシと聞くだけで身の毛もよだつのですが、
今日のローリエは、あの時の苦味を彷彿させる苦さでした。
天然のえぐみと苦味。
人生で2番目にマズかったもの。
おえー・・・。
ローリエにはご注意ください。
甘い香りと裏腹なあの苦さ。
だまされてなめたことありますよ。
(なぜ、こんなに自慢げなのか。)
相方さんの気持ち、よーく分かります。
他では味の素の被害にあったことあります。
なんであんなに変な味なのか。
「味の素」なんて大きな名前を名乗ってるくせに。
もう、これだから東京育ちのお嬢さんは。
今度、ウチに遊びに来たら、山の中探して
見せてあげるよ。
いるかどうか分からないけど。
・・・やっぱイヤだ。
私、カメムシ見たら固まって動けなくなるし。
硬くて、ブーンって飛んで、臭くて、もう最悪なんだよ、ヤツは。
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